Apertia · ライブラリ
近接撮影の薄レンズモデルでレンズとセンサーの距離が変わるのはなぜですか?
薄レンズの像距離v = u·f ÷ (u − f)が、無限遠での50 mmから物体距離250 mmでの62.5 mmまでどう伸びるか、そしてApertiaがvとuを分けて扱う理由を解説します。
像の側が動く理由
Apertiaが使う薄レンズモデルでは、レンズから距離uにある物体は、v = u × f ÷ (u − f)の位置にシャープな像を結びます。vが焦点距離と等しくなるのは、物体が無限遠にあるときだけです。被写体が近づくとvは大きくなります。これが、実際のレンズがフォーカス群や光学系全体を動かして生み出す繰り出し量です。
アプリはvを二度使います。入力したセンサー面からの距離をuに変換し、レンズ側で近点と遠点を計算した後、それぞれに対応する像距離を足し戻します。これで表示される距離はすべて、再びセンサー面から測ったものになります。遠点や撮影距離が無限遠のときは、同じ関数がf自体を返します。
入力値 · 被写界深度
| 行 | 入力値 |
|---|---|
| u (mm) | 1000 |
| 焦点距離 | 50 |
結果 · 被写界深度
| 行 | 結果 |
|---|---|
| v (mm) | 52.631579 |
ピントが近づくにつれて繰り出しを追う
- 焦点距離は固定します。ここでの例は50 mmです。
- センサーからではなく、レンズから測った物体距離uを選びます。
- v = u × f ÷ (u − f)を計算します。
- fを引いて、無限遠にピントを合わせたときと比べた像側の増加分を見ます。
- uとvを足して、アプリが表示するセンサーから被写体までの距離に戻します。
計算例:三つの物体距離
u = 1000 mmではv = 50000 ÷ 950 = 52.632 mmなので、像側は焦点距離より2.632 mm長くなります。u = 500 mmではv = 25000 ÷ 450 = 55.556 mmで、繰り出し量は5.556 mmです。u = 250 mmではv = 12500 ÷ 200 = 62.5 mmです。物体距離を500 mmから250 mmへ半分にすると、繰り出し量は5.556 mmから12.5 mmへと倍以上になります。
- u = 1000 mm
- v = 52.632 mm · d = 1052.632 mm
- u = 500 mm
- v = 55.556 mm · d = 555.556 mm
- u = 250 mm
- v = 62.5 mm · d = 312.5 mm
よくある間違い
- 近い被写体でもvが50 mmのままだと思い込むこと。合計の距離も倍率も過小に見積もることになります。
- u ≤ fをごく近い被写体として扱うこと。このモデルではそのような物体は実像を結ばず、関数はそれを受け付けません。
- 計算した繰り出し量を、特定のレンズ鏡筒の移動量と読むこと。インナーフォーカスのレンズは、代わりに焦点距離を変えます。
- すでにセンサー面から測った距離に、さらにvを足すこと。
モデルの及ぶ範囲
像距離は理想的な一枚の薄レンズについての量です。フランジバック、実際のレンズの主点、フォーカス機構の動き方は表しません。下に挙げるDOFMasterの式も同じレンズ側の量を使います。実際の繰り出し量が重要な場合は、メーカーの最短撮影距離のデータを確かめてください。