Apertia · ライブラリ
ピント面より手前の物体の幾何学的なぼけをどう調べますか?
85 mm・f/1.8で2 mにピントを合わせると、1.5 mにある手前の葉のボケは0.779 mmですが、被写体の2 m後ろの背景は1.124 mmにとどまります。
ピントの手前でも同じ式
ボケの推定では、層がピント面のどちら側にあるかは問いません。センサーからの距離dにある層について、Apertiaはx = d − vとb = f² ÷ (N(u − f)) × |x − u| ÷ xを計算します。uとvは撮影距離から求めます。絶対値を取るので、手前の層でも値は正になります。xが分母にあるため、手前の層がカメラに近づくとボケの直径は急速に大きくなり、被写体の後ろに同じ間隔を取った場合よりもずっと速く増えます。
アプリのボケプレビューは被写体と背景を配置します。別に手前の層を扱う場合は、このライブラリの背景ボケの幾何ツール(background-blur-geometry)が、ピントより手前を含め、センサーからの任意の層の距離を受け付けます。
入力値 · 計算 · 幾何学的なぼけの直径(mm)
| 行 | 入力値 |
|---|---|
| センサー | フルサイズ |
| 焦点距離 | 85 |
| 絞り | 1.8 |
| 撮影距離 | 2000 |
| センサーから背景までの距離(mm) | 1000 |
結果 · 計算 · 幾何学的なぼけの直径(mm)
| 行 | 結果 |
|---|---|
| 幾何学的なぼけの直径(mm) | 2.412766 |
| ぼけの直径 / 縦位置フレームの幅 | 0.100532 |
| 意味と限界 | 幾何学的なぼけであり、レンズのぼけ味の評価ではありません |
手前の層を見積もる
- センサー面から測った被写体までの距離を撮影距離に設定します。
- 手前の物体については、被写体までの間隔ではなく、センサーからその物体自身までの距離を測ります。
- 同じレンズ、絞り、センサーのまま、その距離を層の距離として入力します。
- ボケの直径を背景の値と比べ、どちらの層がボケの印象を左右するかを見ます。
- 層はセンサーから、焦点距離一つ分に像距離を足した距離より離しておきます。これがモデルの下限です。
計算例:レンズに近づけていく
フルサイズ、85 mm、f/1.8、撮影距離2000 mm。被写体の200 mm後ろ、2200 mmの層では0.208 mm、200 mm手前の1800 mmの層では0.257 mmです。さらに手前では増え方が速まり、1500 mmで0.779 mm、1000 mmで2.413 mmになります。比較のため、被写体からまるまる2000 mm後ろ、4000 mmにある背景でも1.124 mmにしか達しません。
- 2200 mmの層
- 0.208 mm
- 1800 mmの層
- 0.257 mm
- 1500 mmの層
- 0.779 mm
- 1000 mmの層
- 2.413 mm
- 比較:4000 mmの背景
- 1.124 mm
よくある間違い
- 被写体より手前にあるものに負の距離を入力すること。
- 層自身の距離(1500 mm)ではなく、被写体までの間隔(500 mm)を入力すること。
- 手前と奥に同じ間隔を取れば、ボケも同じになると思い込むこと。
- 手前の大きなボケを、被写体がどれだけ隠れるかの予測と読むこと。
幾何学だけの話
ボケの直径は、手前のボケの形や透け具合についても、ピントの前後で描写が異なるレンズについても何も語りません。下に挙げるDOFMasterの式が説明しているのは、幾何学的なピントのずれだけです。